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4.平凛のサプライズ誕生会
優菜にはそこの喫茶店からだいたいの時間を連絡しておいたのだが、会場の準備はできているということだった。
屋敷に戻り車を駐車場に置いた後、正面玄関から入る時、オレはわざと平凛から入らせるようにし、オレは後ろ側にまわった。
ドアが開いた瞬間、
「パパパーン!」
皆がそろってクラッカーを鳴らしたようだ。平凛は小さく、
「キャ!」
と言って後ろのオレに抱きついてきた。どうやらサプライズ成功みたいだな。続いて是真さんだろう、
「ジャジャーン!」
派手なギターの音色に続いて得意な曲を弾き始めた。
それを聞いた平凛が、
「お爺様!」
と言って屋敷の中に入って行くと、皆がそろっていて、同時に
「平凛さん、誕生日おめでとうございます!」
と平凛に言った。
平凛はそれを聞き、今まで見たことのないような表情でオレを見、
「ダンナ様、私は今日ほど感動したことはございません…」
と言うと、少しうつむいてしまった…。
オレは気にはなったものの、あえて声はかけないでいた。
皆で食事をしだすと、やはり「ア~ン」が待っていた。ブレないな平凛は…。
その後それぞれからプレゼントを渡され、最後にオレは平凛の前で片膝をつき、
「平凛、まだ正式に言ってなかったからちゃんと言うよ。平凛、まだしばらく先になるけど、オレと…、いやボクと結婚して下さい。必ず…必ず幸せにするから…」
オレは今までしていなかったプロポーズを皆の前ですると、
「ジャカジャーン!」
是真さんが超絶技巧な曲を弾き始めた。きっと是真さんも嬉しいに違いない。
オレからのプレゼントは、婚約指輪ということになった。
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