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次は平凛の番だった。平凛はいつものポーカーフェイスで壇上にいた。
手元に原稿も持っておらず、あるのは生徒手帳一つだ。
「私は神宮寺平凛と申します」
とだけしゃべっただけで、3~4人の女生徒から「キャー!」という歓声があがった。
「私が校則の中で疑問に感じているところがありましたので、それを正すよう学校側と話していきたいと思っております」
と言った後、一息入れ、
「それは「第15条:不純な男女交際の禁止」という項目でございます」
会場から、「おー!」等と言ってざわつきだした。
平凛はさらに、
「問題は何をもって「不純」と判断するのか、ということでございます。例えば、交際する時に、学校側に届け出て、許可をもらえば不純ではないのか、あるいは、家族の同意を得られれば不純とは言わないのか、そういうあいまいな部分をどう判断すればいいか、又は判断できないというなら、校則から15条を撤廃するという選択肢はあるのか、というところまでを追及して参りたいと思います」
平凛の話はわかりやすく単純だっただけに、インパクトがあり会場からは割れんばかりの拍手が贈られた。
…
翌日は投票日。投票時間は一応、下校時間までと時間をとっていたのであるが、チャラ男に入れる者は誰一人として無く、午前中に平凛の票が過半数を超えてしまったため、その時点で当確となり、投票箱は撤去された。このようなことは校史始まって以来であり、今後の語り草となるだろう…。
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