救い

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戦争の絶えない地球。 ジョンは歩兵として敵地へ乗り込むが、狙撃され人生の幕を閉じた。かに思われたたが、目を覚ますと真っ白な空間に奇妙な生物が立っていた。象のような頭部、鼻の付け根に単眼を持っていた。「お気付きになりましたか。」その声は頭の中に直接流れ込んでいるかのようだ。「そうです。あなた方の言うテレパシーが最も近い表現でしょう。」どうやら思考も汲み取られているらしい。 「ここはどこだ、私は撃たれ死んだはずだが...」「そう思われるのももっともです。」象はその単眼を細めながら語りかけてくる。「しかし、私たちが助けました。貴方達の星を救いたいのです。」話が飲み込めないジョンに対してその生き物は話を続けた。「あなた方は毎日争いに明け暮れている。知能を持つ生命体は宇宙ひろしと言えどそんなに多くはありません。その数少ないあなた方を同じ知的生命体として救いたいのです。」「そうだったのですか...でも私ではなく直接行かれた方が宜しいのでは...」「いえ、自分達で助からないと何度も繰り返します。」「なるほど、確かにそんなものかもしれません。分かりました、では争いを止める方法を教えて頂けませんか。」「勿論です、あなたの頭にその方法を転送します。」素晴らしい知識がなだれ込んでくる。「こんな方法があったなんて...これなら戦争はおろか、世界平和も夢じゃないです!ありがとうございます!」「いえいえ、礼には及びませんよ。是非ご活用ください。」その言葉と共に地球へ転送された。ジョンは早速上官へこの事を報告に言ったが、それを狂言と捉えられたジョンは精神病院へ入れられ、その後出てくる事は無かった。そういうものだ。
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