2人が本棚に入れています
本棚に追加
何か言い始めたと思ったら大きくムセる笠間くん。落ち着くのを待って、おもむろに説明していく。
「恋愛すると、知覚アンテナも鋭敏になるし、感情の振れ幅も大きくなるから、人間にとって凄く効率的な退屈凌ぎになると思う」
「暇潰しに恋愛するみたいな言い方するなよ」
「そういうつもりじゃなかったんだけど」
「はっきり“退屈凌ぎ”って言ってたし」
「え、違うよ。退屈凌ぎに恋愛するんじゃなくて、恋愛が退屈凌ぎになるって言ったんだよ」
「それ、同じじゃない?」
「全然違う。目的意識のあり方は、興奮の質と程度に関わる」
「興奮て言うな」
「え、笠間くんは浅ちゃん先生に興奮しない?」
「こ…ッ、しないよッ」
「そぅかぁ…。もしかしたら、純粋に浅ちゃん先生に向かうはずだった興奮が、お兄さんに向いちゃってるのかもしれないね」
最初のコメントを投稿しよう!