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あくびを一つして、私を見下してくれる愛しき妹を見る。ちゃんと服も着替えて、髪も整えて、こんな私とは大違いだ。ああ、でも、このまま布団に引き込んでぐしゃぐしゃにしたらどんな顔で怒るんだろうか。
「文月も一緒に寝る?」
「起きろって言ってんの、このダメ姉ぇ。お昼ご飯外に食べに行くから、もうすぐ出るよ。さっさと準備して」
「んー。わかったあ。どこ行くの?」
私は寝っ転がったまま、ぐーっと伸びをする。腕とか足とかの肌にタオル生地のシーツがこすれる。髪の毛が頬とか鼻とかに触れて、リンスのにおいがする。それもまた一興。
「どっか。決まってない。何食べたい?」
「カツカレー」
「あっそ。ハングリーだね。でもあたしはうどん食べたいから、覚悟しといてね」
そう言って文月は部屋を出ていった。
「覚悟って、なんのさ……」
私はようやっと体を起こして、窓の外を見る。今日の空は青い空。白い雲が気まぐれに浮かんでいる。いい朝だ。いや、もう昼だ。
まあどうせ文月の言い分が通ってうどん屋さんにでも行くんだろう。だけどそこは年の功ってやつだ。私はカレーうどんに豚カツをトッピングしてやる。どうだいい考えだろう。妹よ、ぐうとでも言ってみろ!
もう部屋から出ていった妹に勝ち誇ったら、お腹がぐうと鳴った。私はお腹をさすりながらベッドから降りて、着替えを始める。
と、文月が私の部屋に戻ってきた。
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