百合船（第三部）

三笠とアルミランテ

　三笠は左側の乳首に舌を這わせるのを止めると、両手で目の前の乳房を鷲掴みにして、両方の乳首をこすり合せるような形で自分の口の前に持ってきた。
　アルミランテに見せつけるように大きく口を開いてひと呼吸置いた後、両方の乳首をまとめて口に含む。
　三笠はストローを使って飲み物を飲む要領で口に含んだ両方の乳首を吸い上げた。
「三笠様ぁ……そんなに強く吸われたらぁ、出ちゃいますぅ……」
　アルミランテの悲鳴に近い声とともに、三笠の口の中に母乳が迸る。
　三笠は口の中に迸った母乳を飲み下すと、乳首を吸っていた口を離した。
　その唇の端から飲み切れなかった母乳が顎に向けて垂れる。
　三笠がアルミランテの乳房を鷲掴みにしていた両手を離すを待っていたようにアルミランテがぺたりと尻餅をつく。
「本気で気を遣ってしまったみたいね……」
　三笠が右手の人差し指の腹で唇の端から垂れた母乳を拭いながら、膝の横に両手をついて荒い息を吐くアルミランテに問い掛ける。