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光禄勲の荀爽が間には居るものの、董卓が武官の頂点になったので近衛兵を総括することになる。未だに前将軍でもあるので、地方から集めた軍勢も維持していた。前任の太尉だった劉虞は、大司馬へと昇格とのことらしい、完全に名ばかりではあるが名誉職の頂点だ。
「清流派の士も一定数都に残っておりますので、暴走を制止することに期待を致しましょう」
「いや荀彧殿、制止とは言うが帝を廃するまでやってのけて、今さらだと思うぞ」
腕組をして既に起こった凶事を指摘する、まさに張遼の言う通りだった。少帝は弘農王に降格させられてしまい、封地へと僅かな供と落ちて行っている最中。王にされてもまだ宮中に身を置いているなら返り咲くこともあったかもしれないが、地方へ行かされてしまえば百に一つもその目は無い。
指摘がもっともなことなのは荀彧もよくよく理解している、彼はこの先に更に大きなことが起こると考えて、それを止めることを指していただけだ。
「しかし廃帝といえどもこれを利用しようとする者も現れるのではないでしょうか?」
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