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「俺も知ってるぞ。徐栄軍が三軍団の中で一番だって話だ」
文聘と典偉も負けじと知っていることを口にする。基本この時代は噂話を集めて他者を評価するくらいしか基準がない、実際に戦ったことがある者の体験談が聞けるのは稀だった。えてしてそう言う奴は話を大きくしたりするので、正確に力量を読み取るのは困難で、それが出来るかどうかも将としての能力といえた。
「で、荀彧はどうみてるんだ」
余裕の笑みを浮かべた島は、肯定も否定もせずに問いかける。どこかで名を聞いたことがあれば、そいつはそれなりの経歴があるのと同義、武官ならば戦で生き残った証拠でもある。勝っても負けても経験は経験だ。勝ち続けた将よりも、負けを知る者の方が貴重だろう。
「戦は兵力規模とみるならば牛輔、戦略謀略とみるならば胡軫、戦闘能力とみるならば徐栄でしょうか。個人の武力ならば呂布、知略ならば賈翅とみております」
どこまで正確に読み取っているか、今のところは誰にもわからない。あてずっぽうで評価をしているわけでもないだろうから、これを参考に今後を占うことにした。
「現状の詳細を把握しておくことにするか」
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