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ー書記sideー
ふんふふ~ん♪♪
カタカタカタカタカタッ
『やったあがり!』
今日の仕事終わったぜ~、やっふー!
「なんだまた一のあがりかよ~」
「くっそ、今回の宴と喧嘩面白そうだったのに!」
話しかけてきたのは此処で一番付き合いのある二人。ほかの奴等は死屍累々としている
今日の賭けは貴族や金持ちが攫った子供などを売る奴隷オークションに堂々と潜り込む権利ととあるチームたちの喧嘩を見に行く権利だ
『やったやった。【松竹梅】【猪鹿蝶】に【政官財】という面白いカード引き当てたぜー。まあお前らにはあとで教えてやる』
「お、さすが一。待ってるぜ~」
「おうおう、その間俺らは参加者を裏から家ごと時間が許す限り潰しとくぜ」
『よろしく~。じゃあソロモン見にいこー』
「そういや今日ソロモン日か」
「忘れてたけどいこー」
『そろそろかな?』
今日は待ちに待った二大イベントの日だ
【松竹梅】と【猪鹿蝶】の族の争いを観た後に【政官財】、まあ権力者たちのなれの果てを見に行くんだ
取り敢えずカメラは設置してきたから二人への土産はほぼ済んだとして、お?そろそろ始まるな
「皆様方、今宵はようこそお越しくださいました。【蒼穹】の族長が居なくなり数年、安全が確認されましたので開催いたしました。皆様を大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。今宵は我ら一同の謝罪を込めて最高品質の品を御用意させていただきましたのでどうぞお楽しみ下さい」
開催者の挨拶が終わりオークションが始まった。
参加者たちはみな仮面をつけているが大物女優や政治家など地位のある者たちがあることが仮面の上からも窺い知れる
ここまでとは思わなかったな~
醜い大人たちに呆れているとふと、気配を感じた。この会場に居る奴等とは違う異様な気配だった。振り向くとキツネのお面を被り黒のコートを深く頭まで着込んだ怪しげな奇怪な人がいた
その人?を認識した途端に会場全体の灯りが落ちた。辺りからは観客の明るさに対する文句と催しが始まるのではないかという期待の声が上がっていたが何か壊れる音とともに悲鳴へと変わった
俺は夜目がきくのでさっきのキツネが品、いや誘拐された人々の檻を壊したのがみえた
『ははっ、面白いじゃんか』
俺は今、これまで生きてきた中で一番笑っていることだろう
本当に仲のいい奴等には気分とかで性格が変わると言われるがこれは俺本来の性格だろうな。
ああ、とても楽しい嬉しい喜ばしい
『どれ、演じて見せよう』
仲間が参加者たちの家を潰してる時だから脅しやすく、詰まらなかった
『まあ面白いもの見れたしいいか』
あの後、権力者たちふまえ参加者たちは膝から崩れ落ちていたところで警察が入ってきた。
大方あのキツネが誘導したのだろうが、
今宵はとても楽しかった。キツネは自分の中でお気に入りに入ってしまったし次に会ったときは話してみたいな~
『ああ、とっても楽しみだ♪』
‐書記(四月一日 深夜)side end‐
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