カルト以上宗教未満の組織へ潜入体験

DTさんの団体③

ある日、UTさんが嬉々としながらやって来てこう話始めた。

「近々私が取り持っている地域でDTさんの講演会があるのだけれど桜野さん参加してくれない？ある程度人数が集まらないとイベント経費が赤字になるのよォ。」

イベントで人が集まらない団体のトップってどうよ？と一瞬突っ込みを入れそうになったがここは黙って話を聞くことにした。

「私の地域の会員さん人達ってケチだから講演会費が高いって文句ばっかり言うの。だから今回はK会館の会議室を借りて講演会をすることにしたから会費は3,500円。安いでしょ？」

何だか安売りセールみたいなトークだ。しかも自分が所属している団体の人達を悪く言うとかどうなんだろう。

「これ、DTさんの自叙伝本。良かったらあげる。読んでみて。あと、来年のカレンダーもどうぞ。」

「いや、悪いのでいいです。買ったら結構なお値段じゃないんですか。」

「いいから、いいから。これを読めば桜野さんもDTさんの良さが分かると思うわ。」

なかば押し売りのように押し付けられた自叙伝本とカレンダー。タダより高いものはないと言うが。
UTさんは何としても私をDTさんの講演会に参加させたいらしい。

仕方がない。実際にどんなものか体験してみるか。

「UTさん、それで講演会の日時は何時(いつ)なんです？」

「◯月△日、時間は午後1時～午後3時よ。宜しくね桜野さん。」

ついでに
聞いてもいないのにUTさんは団体トップのDTさんとそれに関連する事を教えてくれた。

・DTさんは神なる存在に社(やしろ)(よりしろ)として選ばれた時、余りのショックに自殺しようとしたこと。

・DTさんは神憑りの力に自惚れて会員(信者)が離れ、そして内部分裂を起こし事態収拾のため会員(信者)に平謝りをして何とか修復したこと

・DTさんはお坊ちゃん育ちのため、物の価値観が一般的ではない。金遣いが荒い。性格も神憑りをしていないときは、感情的で手がつけられない時がある。だからお付きの人達が大変だ。

・DTさんは団体幹部のMKさんと四六時中一緒に行動している。またMKさん家族ともプライベートでは家族ぐるみの付き合いをしている。

・DTさんは団体幹部のMKさんばかりに色々と頼むのでMKさんに対する他の幹部や会員達からのやっかみが酷い。

・DTさんは食べ過ぎで重度の糖尿病になり何週間か入院したことがある。体は肥満体型だ。自己管理も出来ないのかと感じる。なので会員(信者)の自分達が世話をやいてやらないと駄目だと思っている。

・DTさんは神憑っている時は色々と神憑りパフォーマンスをみせてくれるから素晴らしい。でも、普段は駄目な感じ。

ここまでの話を聞いて、UTさんは本当にDTさんを敬っているのか疑問に思うことばかりだった。

団体トップのDTさんの事、同じ会員(信者)さん達の事を貶す(けなす)ようなことばかり言うのだから。

この話を聞いてDTさんの団体に入りたいと思う人がいるのだろうか。

もし いるとしたら、それは騙されているか、ある意味強者だと思う。