「かみさま、ですから」

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「早くしてください!ほら下で喧嘩が始まってますよ!」 「喧嘩ぁ?」  下と言われ足元を見るとガラス張りのような床が一面に広がっていた。 「うわあ!?」  一気に足元の安心感が無くなり腰を抜かして倒れた俺を、ガキは「ああ情けない」とでも言うような顔をして目を逸らした。手を貸さずにようやく始めた説明も、必要最低限。このガキ、天使のような顔をして思いやりが無いにもほどがある。 「下ではいろんなことが起きています。それに手を貸すもよし、貸さぬもよし、罰を与えるもよし、褒美を与えるもよし。全て我々かみさまの一存でどうにでもなるんです」 「は、はあ……」  にわかに信じ難い事だったが確かに下を見れば人間たちが動いてる。かみさま、か。前世の詳しい記憶は無いが知識としては残っているらしく人間とはどういうものなのか、神とはなにか、概念的なものは既に身に備わっていた。  俺が神かぁ……できるのか?
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