「かみさま、ですから」

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『お受験頑張るって言ったのはケンちゃんでしょう?』 『うわああん、でももう出来ないよう』  あーー、うんうん。お受験かぁ。これは俺がなにかした所で変わるもんなのか?どうにでもなるってのは、意図したところへ着地できると言うよりも軽く風を吹かせられるのと同じくらいなんだとこの数回で分かってきた。手をかけたくらいでハッピーエンドとは、そう簡単にいかないものだ。でもなんにせよ辛そうな親子、特に子どもの方だ。そいつを楽にさせてやろう。お受験なんて辞めちまえ、その方が楽になる。目を閉じ、想像する。元気に公園を駆け回り走るこの子どもの姿を。
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