****

14/22
前へ
/380ページ
次へ
「できたぁー!!」 そう呟くと、あたしはニヤけた顔が戻らない。 2本のミサンガ…… ーーーーーーー 『ねぇ?飛翔くんは何色が好き?』 『え?なんで?』 『いや、何色が好きなのかな?と思って』 『黒に灰色に茶色に白に青か……暗いな、なんで急に?』 『聞いてみただけ』 『ふーん』 ーーーーーーー そう、飛翔くんの好きな色を混ぜて、あたしはそれから、店が終わってから、メールをしながら、みんなが寝た後に、少しづつお揃いのミサンガを編んでいた。 お揃いのもの付けてたいな…… 一緒にいる時、そう飛翔くんが呟いていた言葉。 夜中にお互いパソコンを開きながら、ペアリングを探したこともあったけど、結局“薬指には付けて貰えないんだよな”の一言で、あたし達は、それを辞めたこともあった。 だから、同じものを一緒に…… 色違いミサンガ。 だけど2つを並べるちゃんとハートになる。 喜んでくれるかな? 飛翔くんの顔を浮かべながら、出来上がった1本を自分の足首に結び、1つをバッグにしまいこんだ。 《流奈?今日も店の前に逢える?》 当たり前のように出勤日になるとくる一通のメール。 それでも、必ず逢えるかを確認する。 《逢えるよ!!》 だんだんと増えていく出勤日数…… 正直、体は辛い…… でも求めている心があたしを無茶させる…… 壊れてしまうのに恐れて…… 繋がれないことに脅えて……
/380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加