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大きな、大きな胸……
飛翔くんの胸の中に包まれている時が、凄く幸せを感じ、むくもりが伝わってくる……
まだ、夜だって蒸し暑くたまに吹く冷たい風が心地よく幸せに感じるこの季節も、この心地よさには勝てそうにもない。
そして、なぜだか飛翔くんの体は常にヒンヤリしている。
暑いのが苦手な飛翔くんはきっと、一日中冷房の効いているいる所にいるのだろう。
車の中も、あたしが乗らない日は24度の設定は下げられているに違いない。
「流奈。逢いたかった、凄く……」
「飛翔くんってば……」
そう言いながら、自分の顔を飛翔くんの顔に一瞬だけくっつけると、火照っていた顔も、飛翔くんの冷たい体の温度で下がっていく。
「ばーか、俺は本気だよ?流奈とこれから先すれ違ったりしたら、ずっとここで待っていられるよ?」
「流奈だって同じだよ?」
勝ち誇って言う姿に負けてられない!!と、あたしも勝ち誇ってみたが、目を瞑りながら首を振られた。
「いやいや、流奈は無理だなぁ……」
「なんでよ!!」
「寂しがり屋さんだし、ウサギだからだよ!」
今まで男に“寂しがり屋”だと言われたことのないあたしは、図星さに拍子抜けして、ただ飛翔くんを見上げていた。
『流奈は強いよな…』
毎回、決まって言われてきた言葉。
それに慣れている自分がいて『当たり前じゃん』そう言い放っていた。
なのに……
気がつくとおもいっきり、しがみつき
まるで今までの寂しさも充電して貰うかのように離れられなかった。
「流奈も待っていられるもん……」
そう小さく呟くと、飛翔くんの背中に回している腕の力を強めた。
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