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青と白と水色で編んだミサンガ……
時間の空いてる時を狙っては、作り続けたもの。。
ミサンガなんて編んだのは何年ぶりだろうか。
きっと、あれはJリーグが流行りだした10年以上も前だっただろう。
ミサンガを見ながらニヤニヤしている飛翔くんを見て、こんなことでこんなにも喜んでくれるなんて……
そう思うと、なんだかグッときてしまう自分がいる。
「見て、見て!!流奈と色違い♪」
これはさすがに、朝方まで完成しなかったが、昼間時間が空いた時に作りあげた。
どうしても、同じ日につけたかったから、必死に没頭した。
「本当だっ!!同じの買って来てくれたんだ、ありがとうな」
ミサンガに触れながら言う飛翔くんに、あたしは首をかしげ、思考回路がほんの一瞬だけストップした。
買って……?
んっ……?
確かに不器用だの、ぬけてるだの、不思議ちゃんだの、そう言い続けるにだんだん否定出来なくなった自分もいたけど、それらを否定したって飛翔くんはいつもバカにしたように笑う。
だけど、今回だけはあたしが自らの手で編んだもの。
「違うよ……」
「なにが?」
「だから~それ、流奈が作ったんだよ……」
「はっ?マジ?」
目を大きく開く飛翔くんを見て、そんなに大それたことかい!!と突っ込みたくもなったが、それも萎えた。
「いや……本当だってば……」
あたしの顔と足に付いているミサンがを交互い見つめている。
「やっべーなぁ~テンション上がる!!手作りかよ~また、冷やかされるわ!」
そんな風に慌てた飛翔くんを見て、そんなにあたしは不器用そうなのかな?なんて思ってりもしたけど、想像以上の喜びを見て、なんだか幸せな気持ちになった自分がいた。
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