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だけど、ミサンガばかりを気にしながら話している飛翔くんを見ているだけで、自然と笑顔になる。
それに、このミサンガにもう1つ仕掛けがあるのをまたいつか驚かせよう!なんて思うとニヤけた顔がなかなか戻らなかった。
「流奈?」
「なに?」
あたしは幸せいっぱいの笑顔を飛翔くんに向けていたであろう。
この時間がずっと続けばいいのに……
今日だってもう、何度そう思ったことか分からない。
「んっ?どしたぁ?」
そう飛翔くんの顔を見つめると、さっきとは全然違う顔つきであたしを見つめている。
その表情に、一瞬で心が凍りつくのが分かった。
「俺達さ、付き合ってるんだよな?」
「えっ……?」
いけない気がしてた
形にしてはいけない
それが、あたし達をまた苦しませる。
そんな気がしていたのに……
「俺はお前の彼氏だよな?男だよな?」
その真っすぐな瞳からはもう、反らすことが出来ないくらい
飛翔くんは、初めて逢った時のように悲しい目をしていた。
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