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手が震えている… 心臓が早いリズムを打ち、締め付けられ苦しい。 震えている手を隠すかのように握りしめ力を入れると、てっちゃんがその上に手を乗せて握ってきた。 「いやっ…!」 「あ、ごめん…」 その声に乗せてくれてた手を振り払うと引き攣りながらあたしを見ている。 「ちがうの、てっちゃんごめん…」 けしていやらしい気持ちで、手を握って来たんじゃない てっちゃんはそういう人ではない事くらい自分が1番よく分かっている。 ただ視線を感じた気がしてとっさに…… 恐る恐る視線を感じる方に顔を向けると全身に鳥肌が立って、その震えは大きなものに変わっていく…… いつの間に…… その感じていた視線は目の前に座っている飛翔くんのものではなかった……。 飛翔くんの席のもっと後ろの席 そこからあたしの姿を直視しながら不気味に笑う姿…… 大貫さん……。 自分の顔が強張って行くのが分かり、手前に視線を移すと不安げな顔で笑っていない飛翔くんの顔まで視界に入ってきた。 「ちょっ、トイレ行ってくるね!」 平然を装って、てっちゃんに言ってみたが明らかに不自然だったのであろう。 少しだけ振り返るとてっちゃんの心配そうな顔がそれを物語っていた。
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