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「ごめんね……」
「冷めたろ?」
一瞬だけ、あたしに目を合わせてくれたが、またすぐ視線をおとしていた。
確かにびっくりした
仕事をしている姿を見られることはなぜだか抵抗があるのも正直な気持ち。
だけど、それはやましいことがあるからとかじゃない。
ここの空間に入ってあたしの姿を見ても、飛翔くんにとって幸せなことは1つもないからだ。
いつもはあたしより全然大きい飛翔くんがとても小さく感じ、出来ることならここでおもいっきり抱きしめてあげたい。
と思うくらい、肩をおとしている姿を見ていることが辛すぎた。
「冷めるわけないじゃん!!」
周りなんてもう関係がなかった。
仕事なんてもう関係がなかった。
あたしの今まで築き上げてきたものが壊れてしまってでも、目の前にいる飛翔くんを傷つけることがもう限界で怖すぎた。
後から視線を感じているのも分かっている。
てっちゃんがあたしを見つめているのも分かっている。
だけど、もう関係ない……。
「飛翔くん?」
「なに??」
「見てっ♪」
自分の足を少し高く上げた後、飛翔くんの足にくっつけた。
「同じ!!」
「ぶっ!!ドレスには合わねぇ~なぁ~」
「そう?関係ないっ!!」
笑顔で笑っている飛翔くんを見ているはずなのに、
あたしの心は凄く痛くて、涙が出そうなのをひっしにこらえていた。
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