~prologue~

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お金がないというのに 生活ができないというのに 子供たちを食べさせて行かなきゃいけないっていうのに、どうしてこう呑気なのだろうか。 シャワーを頭からかぶりながら考えてしまうのはそんなことばかりで、 だけど考えたところでお金が降ってくるわけでも、この悩みが改善されるわけでもない。 何度、お財布の中から500円玉だけ取り出し握りしめて買い物行ったのかも分からない。 そんな時は店から、その日の給料半分だけ前借りして、そこから守はお昼代をちゃっかり持って行くから、残りを2日間の生活費にする。 そんな生活も日常茶飯事だから、もう慣れてしまった。 だけど、来年は愛も小学生、千夏も幼稚園 入学入園のWパンチ さすがに、その日食べていく生活のお金を確保するだけじゃダメになってきている。 普通の生活がしたい 贅沢じゃなくていい 裕福になりたいなんて思っていない ただ、あたしは本物の温かい家庭の中で 本気で笑い合いたい 嘘偽りのない、本当の笑顔をもう一度だしてみたい。 もしかしたら そう考えていることがきっと あたしには贅沢なことなのかもしれない。
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