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プロローグ
両親が死んで早2ヶ月。
死因は菌による体内汚染らしい。
身体中の内臓が腐りきっており、機能がほぼ停止していた。
俺に残ったのは、両親の魔法取扱を専門とする店をのみだった。
「まだしょげてんのかよ。飯ぐらいいい気分で食わせてくれ」
俺はハッとして顔を上げると、友人の「リヴェルガ=ゲーデン」の顔が写った。しかも唇に食べかすがついている。
「んなしょげてたってお前の親は戻んねぇんだ。前向いて歩く。それしかお前にしかできねぇだろ?」
確かにそうだ。…でも、今舌打ちしたか?
「そうだけども…」
「いいか?お前は前向きな所しか取り柄ねぇんだぞ?」
……ん?俺には「前向きなところ以外いいとこねぇんだからグダグダ考えんな。バカバカしい」と言われた気がするぞ?気のせいかな?
「だったら、お前のその長所を存分に活かせる仕事をすることだ」
リヴェルガの目が熱くなっている。サッキの言葉は気のせいらしい。
「まあ、親が死んだくらいでピーピー泣くのもバカバカしいしなあ」
……前言撤回。こいつとは絶縁しようかな。
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