媚薬

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媚薬

コトリっと小瓶を机に置く。 キラキラと輝くピンク色の液体が入ったこの小瓶は、可愛らしいハート形でしっかりとコルクで栓をされている。 私はこの小瓶に付いていた添付文書を読んで腰を抜かしそうになった。 なぜならこの小瓶の正体は【媚薬】。 そう、惚れ薬だったから。 これは先ほど姉のシルフィから譲り受けたものだ。 「あんたもこれで彼氏を作りなさい」 そう言われ首を傾げつつ受け取り、これがまさか【媚薬】であるとは思わずに、そのまま学園まで持ってきてしまった。 姉よ。一体全体、なんてモノを持たせるのか。 確かに私はメガネ地味子だ。 容姿は赤みがかった茶髪に緑色の瞳。背は少し低めといった所。まあ、何処にでもいる地味で平凡な子だと思っている。 放っといたら一生彼氏なんかできないだろうと心配する気持ちも分かるけど、これを学園で使えというのか?
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