君と桜と青い空

　「友達って同級生
　　だけじゃないのね」

暮し始めてから君は

すぐにそう言った。

無言で往復してた

アパートから駅の道。

　「今から？気をつけてね」
　「帰り？大根持ってく？」

そんなふうに声をかけて

くれる人がこの町にも出来て…

　「こんにちは」

君は自分から散歩のお年寄りにも

声をかけるように。

そして・・・・・

　「ただいま、シロ。
　　独りで退屈だったでしょ？」
　「にゃああん(おかえり)
　　にゃにゃにゃにゃん(待ってたよ)」

僕らは語り合う…。

一月(ひとつき)ほどした夜、

君はポツリと言った、

　「ママ(義母)も…人付き合いが
　　上手なひとではなかったのかも」

……かもしれない…。