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pipipipipipi 「…もしもし」 『おい、慧。おまえ何処にいるんだよ』 「……彼女の処」 『は?彼女だぁ?嘘つくな。いいからとっとと帰って来い』 「嘘じゃないよ。もう一緒に暮らしてる」 『一緒にって……おい、飯はどうしてんだよ!』 「ちゃんと食べているよ」 『食べてるって……何処で調達してんだよ』 「調達なんてしてない。彼女が作ってくれるからもう狩りの必要はない」 『はぁ?!彼女が作ってくれるって……おまえ、言ったのか?おれたちのこと』 「言ってない。言う必要がないじゃない。俺は彼女の作った物なら食べられるから」 『……』 「あ、言っておくけど俺の彼女に手、出さないでよ。そんなことしたら──」 『っ、出さねぇよ!ってか牛とか豚とか鶏とか家畜の肉を食うようになったおまえなんかもう一族を名乗る資格ねぇからな!』 「…うん。分かってる。俺はもう絶対に同類(にく)を食わない」 『あぁ、堕ちる処まで堕ちろ、バ──カ!』 通話がブツッと切れた音はまるで同士の──一族の絆が断ち切れた音のようにも聞こえた。 (なんだ、こんなにも簡単なことだったんだな) 禁忌(タブー)を犯した俺はいつか断罪されるかもしれない。それでも今はやけにスッキリしていた。
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