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如何にもスクールカースト上位にいそうなキラッキラの今時のJKだ。
「あ、そーいえば双葉さんの彼氏ってどんな人ですかぁ?」
「……」
「芽衣、恋バナ大好きなんで教えてくださーい♡」
「……」
「双葉さん?」
「……はぁぁぁぁぁ~~」
この子は根はいい子だ。だろうと思う。そうだと思いたい。
地味な根暗が代名詞のような私なんかにも偏見なく話しかけてくれるし明るいし勤務態度は概ね真面目。
この『彼氏いますよね?』前提での発言だって決して悪気があって言っているわけではないと分かっているから呆れこそしても大して腹は立たない。
(だけど…時と場合によってはへこむよ……)
そう、私はいわゆる年齢イコール彼氏いない歴という見たまんまの女子力ゼロ女。話したくても話せる恋バナなど何ひとつ持っていない。
したがって経済的にも独り立ちしなければいけないという意識がより強かった。
(まぁ、仮に結婚出来たとしても仕事は続けたいし)
『芸は身を助く』と口癖のように言っていた母の影響は私にも色濃く鎮座してしまったようだ。
折角国家資格を持っているのだからそれを生かさない手はない。
だからこそちゃんと正社員で就職して安定した収入と生活を手に入れたいと切に願うのだった。
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