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焼却された煩悩
びっくりするほど綺麗になっていた、メルヴィン・パストーリ・エルネストは、煩悩が全くない無邪気な子供になっていて、今はスイッチでスマブラをやっていた。
「ぶーん!ドカーン!メッキシッコー!」
「逆に気味が悪いな。ありゃあ、ジョナサンちの子だろ?いいのか?滅魂の鬼火で焼き尽くしちまって」
ここのところ、莉里に懐いて住み着いたジョナサンのエロ息子のことはまあ知っていた。
父が父なら子も子だと思ったよ。このエロ小坊主。
「あなたが落としたのは、綺麗なメルですか汚いメルですかってなったのよさ。綺麗なメル!もう遅いのよさ!先に寝てるのよさ!」
「かしこまりました。お休みなさいませ莉里様」
マジで気持ち悪いなこいつ。
ところで、莉里とクティーラは、水色をどっちが抱っこするかで揉めていた。
アヘーって寝顔で、今はクティーラのおっぱいに収まっていた。
「これから、イギリスに向かう。一応不法入国者だからな。水色を休ませたら行くさ。勘解由小路の奴にいいように使われるのは癪だけどな」
「まあ、今回の件はしょうがないのよさ。パパは、今までの人生で出会ったモブ女全員を疑う羽目になってるのよさ。確かに怖いのよさこれは。普通覚えてない相手が実は、パパを狙ってるとか。ワールドワイドなアイドルが、一斉にファンに付け狙われる状況に似てるのよさ。まあ解る話なのよさ。パパめっちゃカッコいいのよさ。ママには渡さんのよさ」
そんなにモテんのか?あいつ。
「ぶっちゃけると、モブの影響力が回り回って世界の危機を引き起こしてるのよさ。牛頭の雌蚩尤に女神チェルノボークと、パパにとって代わろうとしてる神を担ぐ愚民の暴走の先にあるのは世界大戦なのよさ。あれ?今莉里は何て言ったのよさ?クティーラ、チェンジなのよさ」
水色をクティーラから奪った莉里は、今自分が言ったネタバレを完全に忘却していた。
「パパが身動き取れなきゃ世界は滅ぶのよさ。正男、水色ちゃんと世界を頼むのよさ」
水色をユラユラとあやしながら、莉里はそう結んだ。
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