蜜蜂 ‐甘い言葉と感じる身体‐

10、精神的苦痛とは

「自分では分からないかもしれないけど、今回の件は、精神的苦痛だったんだと思うわ。終わった事であっても、裏切られていたっという事は苦痛でしかないものね」
「そうなんですね。はぁ、そっかぁ」
「でもね、真実は不明のままでしょ。それを知りたいとも思わないでしょ。恋愛に関しては、今ゼロの状態。これからもっと素敵な出会いがあるから。それに、もっとキレイになれる。言っちゃ悪いけど、雅さんって子、周りが言うような子ならば、必ず報いを受けるから。そして元彼もそうよ。彼女を裏切っていた報いは必ずくるわ。でも桜さんはそれを望まない人だってことも分かる。桜さんは良い育て方をされたのね」
「そうなんですかね。ただもう私には関係のない人だと思ってるだけなんですけど」
「でも、復讐を望まない。それってとっても大事な事よ。心がキレイであれば、それは表面に出てくるからね」
「そうですか、ありがとうございます」
「また、何かあれば何時でも愚痴りに来てね。身体のケアは出来ないけど、お話ならいつでも聞くからね」
「はい、ありがとうございました」

相馬さんにペラペラとしゃべってしまった。
私はきっと誰かに聞いて欲しかったんだね。
吐き出してスッキリした。
もう、グチグチ悩まない。
終わった事なんだもんね。