立場主義に陥らせるファシズム

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 所謂、昭和上司の中には部下が自分の目の前で働いていないと、評価しようにも評価出来ないという者が少なくない。彼らは相変わらず勤務態度を重視し、そこから能力まで見抜こうとし、評価に結び付けてしまうのだ。それは自分の目の届くところで部下が働くのがベストなワークスタイルだと思い込んでいる所為であって彼らにとって最も大事なのは、皆が会社にいることであり、効率性や生産性は二の次なのだ。だから部下がリモートワークで成果を挙げても目の前にいないと、評価しようにも評価出来ないと考えてしまいがちなのだ。それに直接部下に命令したり皆の前で威張り散らしたりしたいという願望を持っているのだ。  その代表格である社長は緊急事態宣言が解除されると、社員を出勤させ、一堂に会し、皆の前でこう宣言した。 「仕事にはコミュニケーションが不可欠であるが、オンラインだけでは十分なコミニュケーションが取れないから我々一同に信頼や協調や一体感が生まれない。何しろ人間のコミュニケーションに於ける表情や声調やボディーランゲージなどは欠かすことの出来ない重要なものであってテキストや音声通信だけでは相手と良好な関係を築けないのだ。だからリモートワークを実施しても成果が上がらず十分な利益を得られない。よって我が社は今日からリモートワークを廃止する!」  徒でさえ頭が古いのに全体主義、排外的企業理念に基づき、自由主義を否定し、幹部独裁による専制主義を押し通し、社粋主義を推し進め、幹部に対する絶対の服従を強い、縦しんば少しでも反発すれば、減給乃至は過酷な労働を課し、最悪、馘首し、対外的には販売市場や原料資源地からライバル社を排除し、市場独占と利益独占を目論むというまるでファシズム的企業体制を取っているのだからリモートワークの合理性や安全性を主張しようものなら即刻首だ。  そんな事情があるものの最早、満員電車で通勤なんてまっぴら御免だから反発したくもなるよ。何しろオミクロン株はワクチンを三回接種済みでも感染するんだ。而も従来のオミクロン株の二倍の感染力を持つオミクロン株亜種がもう国内でも見つかってるんだ。  国内でオミクロン株が初めて見つかったのは2021年12月末だから約1ヶ月で変異したことになる。対して日本でのコロナウィルスのオリジナル株からアルファ株に変異した期間は約1年でアルファ株からデルタ株に変異した期間は約8ヶ月でデルタ株からオミクロン株に変異した期間は約4ヶ月なのだ。つまり漸次変異スピードが速くなっているからこれからはワクチンを開発しても変異に追いつかない。況してワクチンは重症化を防ぐと言うが、必ずしも防ぐ訳ではないし、オミクロン株に感染した者は軽症でも無症状でも四割位、深刻なる後遺症を発症し、ロングコロナに苦しむことになるし、亜種は今までの変異の傾向から見て弱毒化する代わりに後遺症が悪質になるかもしれないし、ワクチンが開発される度にウィルスが変異してワクチンが効かなくなって来ているのだからこれ以上開発に取り組んでも徒労に終わり画餅に帰すであろうワクチンは、これからは頼りとしてはいけないのだ。  これから頼りにするべきは何か?政府?まさか、今の政府は正にファシズムに染まっていて都合の悪いことは隠蔽し、嘘ばかりつき、フェイクニュースを流して国民をミスリードし、見捨て或いは見殺しにしているのであって寧ろ感染を促進する感染拡大の温床だ。頼るべきは自分の意志だ。意志によってアイデンティティを復活させるのだ。立場主義に陥って社畜に成り下がっていてはいけないのだ。  折角、大学卒業して入社した会社だが、もう我慢ならない。ドロップアウトだ!とばかりに僕は辞表を出した。初めての意志表示だった。皮肉にもコロナがそうさせたのだ。  慮ってみれば、学校もファシズムで成り立っているようなものだった。早いとこドロップアウトするべきだった。決断は遅きに失したか・・・  それか、ほんとは画家になりたかったのだから美術大学を目指せば良かったものを立場主義に陥って画家になんかなれっこないと諦めて就職に有利だからと経済学部の大学に進んだのがいけなかったのだ。  そもそもこんな世の中に生まれたのがいけなかったのだ。あらゆる付けが回って愈々日本は・・・先が見えない、もっと言うなら先がどれだけ悪くなるか見えないと言ったところか・・・と思う僕は半端なく危機感を募らせているのに違いないが、オミクロンは軽症で済むから只の風邪とか罹ってもいいじゃんとか軽く思っている者もいるらしく兎角、この世は無知蒙昧の徒ばかりだからラジオのパーソナリティなんかも北京オリンピック楽しみですねだとさ。唯一感染を抑え込んでいる世界経済の中心的存在である中国がオリンピックやって感染者が増加して感染を抑え込もうと各都市がロックダウンして物が思うように作れなくなり送れなくなったらどうなると思う?年々中国への貿易依存度が高まっている日本はおろか徒でさえ疲弊している世界の経済が破綻するぞ。その恐れがあるのに浅慮にも何を抜かしとるんだ。ま、こういう連中は空気感染することを未だに知らなくて1・5メートル離れていればマスクしていなくても濃厚接触には該当しないとこんな低い認識しかないくらいだから数か月後に発症するであろう後遺症の所為で真面に働けなくなって失業する人が目に見えて増えて日本の経済やインフラがメチャクチャになってからやっと自分達が危機的状況にあるのに気付くんだろうな。  そこまで酷くなる時はいつ来るのか、僕の得た情報を基に考えてみる。今日、発表された新規感染者数は8万程度だが、徒でさえ日本は検査数が少ない上に検査キットが不足しているというし、海外と違って未だに精度の低い抗原検査が主流だから無症状感染者をほとんど捕捉出来ていないに違いない。おまけに医療崩壊しているのにしていないように見せかける為、本来入院させなければいけない陽性者を自宅療養という名目で自宅放置、自宅待機、自宅悪化、自宅感染させているから相当ウィルスが拡散して実数で言えば幾何級数的に感染拡大しているに違いない。だから少なくとも発表数の10倍の80万人くらい感染していると見るのが妥当だ。これが季節性要因で収束するまでの一か月間続くとすると、累計二千四百万人くらい感染することになる。で、その四割の六百万人くらいが後遺症を発症する訳だ。つまり数か月後、国民の20人に1人、真面でない人になる訳だ。しかし実際には感染者数はまだまだ増加するだろうし、以前から後遺症に苦しんでいる人も含めると、これはもう今年の夏ごろ相当酷いことになると僕は見ている。しかしオミクロン株が今後どう変異して行くか、それによって後遺症がどうなって行くか、無論、分からないから好い加減な予測と言えなくもない。だからそこに希望を見い出せる?しかし、供給源であるアメリカや東南アジア諸国が日本より感染拡大しているし、中国も北京オリンピックによって感染拡大すれば、日本は供給ショックが起きて品薄状態になるかも知れず、とても楽観出来る状況にないことに変わりはない。  兎に角だ、感染拡大を抑える基本である検査、隔離、これを全く徹底しない政府の国民の為でなく利権の為の杜撰な感染対策とこんなことを書いて恐怖を煽るなと反感を抱くであろう愚かな有権者どもが悪いのであって現実を正しく伝えることが良くないような空気を作り出したファシズムに抵抗して言論の自由を守ろうとする僕が悪いのでは決してないのだ。  
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