003 霜が降る庭

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 年の瀬に、隣人を拾った。  ごわごわの隣人は、とても酷い顔をしていた。無頓着な性格を代弁するかのようにごわごわの髪質が、肌白い体質が。あまりにも現実ではない様相を呈していた。  弱りかけた彼女を放っておくことが出来なかった僕は、隣人を招き入れる事にした。  隣人は日溜りよりも、影を好んだ。  庭先に植えられた一本の桜が、隣人がもっとも好きな場所だった。  彼女は足が不自由で、いつも誰かが傍にいた。大半は彼女の家族であり、その半分は僕だった。 「最初の隣人は、白く丸い猫だった」 「隣人は、私を猫扱いするんですか?」  年の瀬の庭は、雪が降る寸前の状態だった。  肌寒い季節だから、僕は彼女に上がるよう努めた。 「__しょうがないですね。猫はこたつで丸くなるものですから」  自ら認めた様に、彼女は笑った。      
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