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「三百円のお返しです。宜しければポイントカードをどうぞ」
「どうも」
もう二度と来ることはないだろうが社交辞令として貰っておく。
「千円で一ポイントですが初めてのお客様なのでおまけで一ポイントつけときますね」
ポイントが付いてしまった。
「どうも……」
「十ポイントで粗品プレゼントです」
早々に車に乗り秒でエンジンを蒸かす。
とにかく早く家に帰りたい。
「お待ちくださいお客様!」
アクセルを踏もうとすると店長が飛び出てきた。しかも片手には包丁を持っている。
「ぎゃああ人殺しぃぃッ!!」
和也はついに叫んだ。
「お、お客様!? 違います! 初めてのお客様なんでね、サービスにデザートをお持ちしようと思って」
「なんでデザートに包丁持ってるんですか! 赤い汁付いてるし!」
「スイカですよスイカ!」
和也は店内に戻されスイカをかじった。血の色のように赤い色をしたスイカは瑞瑞しくて美味だった。
「サービスでスイカ分の二ポイント付けときますね」
「スイカ二千円もするんですか!?」
「サービスなのでお気になさらず」
「いや、そういう意味では……もういいや」
もう嫌だこのレストラン。
今日の出来事は一生忘れることはないだろう。和也はそう思った。
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