「運命―さだめ」

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「運命―さだめ」

 体内を流れる電気が、何かの拍子で振動し、「ビビッと」くるような感覚を覚えたことはあるだろうか。  例えばそう、「運命の人」とすれ違った時のように。  平凡な日常に突如稲光が差すように、流れる電気は筋肉を刺激する。  その刺激こそが、己に「運命」と感じさせる理由なのだろう。  杉崎玲もまた、それを感じた一人だった。  突然襲った刺激が残す痺れを握り、杉崎玲は心に決めた。  私があの男を殺すのだ、と。
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