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プロローグ
ザパーンと波が立ち上がる
海沿いの海岸にまるで休日のお父さんが
TVの前で横になっている姿の様に
寝そべっている男が1人
時より大きな欠伸をしながら海を眺めている。
その男はモジャモジャの髪を縛りあげ
額には大きな切り傷がついている
整った顔ではあるのだがヨレヨレのシャツに汚れたくつ見た目も綺麗とは言えず
ホームレスの様な見た目である。
『竜さーん!!!』
と大きな声で彼を呼ぶ男が1人
『なんじゃ龍太』
龍太『全く探しましたよ…油断するといつも
どっか行ってしまわれるんですから。
探すこっちの身にもなってください。』
『すまんのう、別に悪気があるわけじゃなか
あんの空間はワシには少し苦手な様じゃ』
龍太『貴方の家なんですから
少しは慣れてください。
とりあえずスマホくらいは
電源入れておいてくれませんか?』
『いやぁ〜まだこげん便利なもんに
なれとらんきにイマイチの〜使い方が…
それに急に音が鳴るけん驚いてしまっての』
龍太『とりあえず行きますよ。
明日からははやっと就活ですから』
『傷が治るまで街には行かせんなどと
お主はワシのネェちゃんそっくりじゃ』
龍太『早く帰ってこないと
今日の晩飯抜きにしますよ。』
『ちくとまっとけ、もうすぐなんじゃ。』
龍太『もうすぐ?』
ゆっくりととても綺麗に夕陽が沈み始める
『なぁ龍太、』
龍太『なんですか?』
『ワシは今一度この日本を洗濯するぞ!』
龍太『ハイ、観てますから坂本龍馬さん』
夕陽と潮風が竜馬にかかる
どこか遠い目をしながら髪をかきむしる
その姿はとても絵になるのであった。
これは坂本竜馬が現代にタイムスリップした
幕末の英雄坂本竜馬のお話し。
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