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1 近江屋事件
『ええじゃないかええじゃないか』
『ええじゃないかええじゃないか』
大政奉還を目前とした江戸の町
人々はええじゃないかと声をあげて
この日を楽しんでいた。
等の竜馬は自分の誕生日という
めでたい日であるがにも関わらず
少し風邪気味で頭をボーっとさせたまま
土佐藩の中岡慎太郎と語り合っていた。
竜馬『ハックション!!おーばっちいの』
中岡『竜さん少し横にでもなるか?』
竜馬『そんな心配せんでも大丈夫じゃ、
続きを話そう。』
中岡『竜さんも、風邪なんぞ引くんですね』
竜馬『慎さんワシのこと阿呆じゃと。
思っとるじゃろ?』
中岡『滅相もない、私自身竜さんの
生き方考え方に惹かれておる。』
竜馬『嬉しいことじゃ』
この時の2人は自身の刀を部屋の隅に
置いていたとされる。
もしなんらかの意見の食い違いで
間違いが起こらない様配慮してのことだった
竜馬『これを見てくれ』
中岡『これは?』
竜馬『国の上に立って欲しいとワシが
思うちょる人物じゃ』
中岡『へぇ、』
この時の竜馬は今で言う内閣と呼ばれる物と
同じ事を考えていたと言う。
中岡『この○は?』
竜馬『これかこれはまだちくと悩んでおる』
この文の中には何故か○○○と書かれた
空白の部分が存在していた。
竜馬の計らいであったが誰が入る事を考えていたのかは諸説ある。
竜馬『一旦飲み直さんか?』
中岡『そしたら少しだけ』
竜馬『なぁ慎さんワシの思うちょる世界は
間違うてはいないよの?』
中岡『新しい世界に乾杯しよう、竜さん』
2人は盃を交わす。
深く長く静かな静寂が2人を包む
コンコンコンと扉を叩く音
この人物の名は弥助
弥助を近江屋の見張りに置いていたのである
『失礼しますお二人に会いたいという輩が』
この時の竜馬は少し不安がりながらも
竜馬『通せ』
と静かに一言言った。
ゆっくりと静かに上がってくる人物
『坂本竜馬さまがいると言う事で
是非ご挨拶をと伺いました』
深々と頭を下げながら現れる人物
竜馬『そうかまぁそんなところにいても
あれじゃ、中に入りんしゃい』
『ありがとうございます』
この時彼は奇妙にも頭を下げながら
ゆっくりと部屋に入ってきた
竜馬の前につきゆっくりと顔を上げ
『天誅じゃ!!!』
ヒュッと風を切る音と共に立ち上がる男は
あろうことか竜馬に斬りかかった
体を逸らし避けようとするも
刀は竜馬の目の上から額にかけて
深く切り裂いた
中岡『竜さん!!なにしとうがかお主ら!』
中岡の怒声が響き渡る。
この時刀を隅に置いていたのが災となり
刀を取りに向かった中岡も一太刀二太刀と
浴びてしまう。
竜馬『こなくそ!!』
この時竜馬は護身用にと銃を
懐に隠し持っていた
ズガーンと銃声が響き渡る
しかし相手は怯む事なく竜馬に襲いかかる
『うぉぉぉぉ!!』
相手も頭に血が上っているのか無造作に
振り下ろされる刀
その刀を銃を使い止めようとするが
刀は竜馬の指を少し切り裂いた。
竜馬『くっ!・・・』
銃声を聴きドタバタとさらに入ってくる
資格たちに竜馬と中岡の2人は
なすすべもなく倒れてしまう
『引くぞ!』
と誰かが言った。
その号令と共にバラバラに散る剣客達
その時竜馬と中岡には少し息があったと言う
竜馬『な・中岡さん・・』
中岡『竜さん・・・』
竜馬『ワシは・・・もう・・
ダメかもしれんの、』
中岡『そげんこと、言わんでください』
竜馬『ワシは脳まで、はぁ。
いっとるかもしれん。
中岡さんの方が傷が浅そうじゃ』
中岡『ワシのことなんかいい!
生きろ竜さん!』
竜馬『ワシが思い描く世界を少しでも
見たかったのう』
中岡『竜馬ーーー!!!』
その言葉の後竜馬は静かに
息を引き取ったとされる。
『ええじゃないか』
『ええじゃないか』
と町民達の声だけが聞こえてくる
これが世にも有名な近江屋事件である・・・
中岡は薄れゆく命の中で竜馬を
担ぎ歩いたと言う竜馬が生きていると信じて
現代も竜馬の死体は見つかっていないと言う
竜馬を担ぎながら1つの橋に辿り着く中岡
中岡『竜さんの首あんな
奴らに取られるくらいなら』
中岡は竜馬を川に投げ捨てた。
直後騒ぎを聞きつけた仲間達によって
中岡は即死を免れる
中岡は死の直前まで竜馬との
最後の会話と生きていると
言い続けていたのだった
竜馬『ワシは死んだんかのう、
ここはあの世か』
ボワっと小さな光が竜馬を照らす
竜馬『神様、こんなちっぽけじゃったんか』
光がフヨフヨと浮かびゆっくりと
竜馬に触れる、その瞬間光が突如大きくなり
竜馬を包み込む
竜馬『なんじゃー』
光に包まれ竜馬が目が覚めるとそこには
竜馬の見たことのない世界が広がっていた
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