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五月女戦士はラップをこよなく愛する為にその影響が詩に現れる。
花小路萌香はどんなモチーフもメルヘンの要素を入れてしまうホンワカ系女子校生だか詩にかける思いは深いものがある。
鳳凰院詩華は大人顔負けの知識とセンスで独特な世界観の詩を得意とする。
例として
お題が牛の場合
五月女戦士
俺は猛牛
見渡す観客
コロシアムの中
殺し合うのは誰?
それにつけても
癪に障るのは
お前がヒラヒラ
翻すそれ
余裕綽々
まるで公爵
覆すのは今
全身全霊
前例のない前進
猪突猛進?
それは迷信
右へ左へ
変幻自在
俺を侮ったのが
お前の有罪
俺は振り返り
レオの様な切り込み
かわすギリギリ
お前は蝶の様にはばたき
浮かべる不敵な笑み
丁々発止
蝶は挑発し
花小路萌香
もう朝だよ
階段を登り
起こしに来たのは
ミルクのにおい
まだこんな時間
まだ早いよ
私は香りを蹴飛ばした
もう朝だよ
扉をすり抜け
起こしに来たのは
バターの香り
焼けたトーストも
加勢に来たよ
まだこんな時間
まだ早い
扉を睨んで知らんぷり
もう朝だよ
布団の上から
起こしに来たのは
チーズのにおい
もう起きないと
おおきなネズミに
たべられちゃう
もう起きたよ
そう呟いたのは
夢の中
鳳凰院詩華
雪に降られて
しろう染まり
泥に塗れて
くろう染まる
わっちの身体は
人様の
善悪模様に
染まりゃんし
そこな道の尋ね人
求むる答えはありんすか?
息も絶え絶え
道半ば
弱り果てては
本末転じ
心のまなこもあくまいと
しゃかむにぶつも
のたまった
わっちの甘露
純血を
どうぞ素直に飲みなんせ
人の善行悪行を
黙って観ていたわっちの眼に
何が映れど気になさるな
今は休むが先ずは吉
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