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沢田くんとお清め
「うう……」
女子たちに叩かれた頬を撫でていると、お寺の息子のクラスメイト、丸坊主の安村くんがやってきた。
「ひどい目にあったな、沢田」
「うん……【今日はよく誰かに話しかけられるなあ(´・ω・`)】」
「お前に一ついいことを教えてやろう。お前がもらったものはバレンタインチョコといってな、本当に好きな相手からしかもらっちゃいけないものなんだ! 好きな女以外からもらうとバチが当たるんだって住職の父ちゃんが言ってたぞ!」
「な……!【なるほどーーーっ!! これはバチが当たってたのか!!】
俺は安村くんの言葉に激しく納得した。
「いいか沢田。もしこの次お前がバレンタインチョコをうっかりもらってしまったら、バチが当たる前に俺のところに持ってこい。俺んちのお寺でお清めしてやるから。とりあえず、ランドセルの中のチョコは全部俺によこせ」
「うん【ありがとう、安村くんっ!!ヽ(;▽;)ノ】
俺は安村くんにもらったチョコを全部渡した。
「運が良かったな、沢田。もし俺が寺の息子じゃなかったら、お前は今頃死んでたぞ」
「死……⁉︎【ウソーーーん((((;゚Д゚)))))))!!!】」
「じゃあ、そういうことで。来年もよろしくな」
安村くんは嬉しそうにチョコをランドセルに入れて去っていった。
◇
【ということがあったんだ……】
長い回想だったね、沢田くん。でもものすごくよく分かったよ。
聞きながら思ったんだけど、アベベくんのくだりは必要なかったよね……。
あと、野村くんの現在のキャラが気になる。
それと、安村くん、沢田くんのチョコを奪った後、お清めしないで絶対に食べてるよね。それに気がついていない沢田くん、尊いなあ。
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