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~魔法検定ってなに?~
「それじゃ撮りますよー」
ミクリさんがパシャリとシャッターを切る。どんな顔をしていいかわからず、とりあえずにこりと笑った。
「いいよ、ナホちゃーん。じゃあ今度は悲しい顔いってみよ」
か、悲しい顔? こうかな……
「アメイジング! よし、いいよぉ……それじゃあ今度は一枚脱い――」
「――そういう撮影じゃないです」
ぴしゃりとドロシーさんがミクリさんの頭を叩いた。ミクリさんはえへへと笑いながら舌を出した。
脱ぎかけた服を着直して、気になってたことを聞いてみる。
「魔法検定ってどんなことをするの?」
体育とかでやる体力テストのようなものだろうか。それとも普通の紙のテストかな。私の質問にミクリさんが答えてくれた。
「それがね、わからないんだよ。というのも、毎年内容が違っててね。内容は魔法協会とその年の検定を担当する、公爵家が一緒に決めているんだけど……ノーレッジ家の時は筆記テスト、ジャッジメント家の時は面接試験……と、バラバラで。今年はベル様が内容を決めたそうだけど、口外無用だそうでね」
ショウがテスト内容を決めたのか。いいなぁ、私も学校のテストは自分で内容決めたいな。そしたらいつも100点満点間違いなしなのに。
そんなことを考えてうつむいていると、ドロシーさんが背中をさすってくれた。
「大丈夫ですよ。あなたはリン坊ちゃんと知識を共有しているのですから、あまり困るようなことは起きないはずです」
別に不安だったわけじゃないけど、言われてハッと思う。まだ私と宮地くんの契約魔法は完全じゃない。私が見られる彼の知識は最初よりは増えたとはいえ、全体からするとまだまだ一部。本当に大丈夫なんだろうか。
「それでは私は書面を作成しますから、ミクリ、彼女を浴室へ案内してあげで。今日はもう。随分と更けていますから、お風呂に入って、客室でしっかり休んでください」
そう言ってドロシーさんはニコッと笑って部屋を出ていった。
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