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それが何だか今の時点では思い浮かばない。
その時、突然犬の哭き声がした!「キューン」と。
「えっ!今の哭き声はチップ!!!? そうだ!!
虹の橋だ、私はチップに会わなければ、そして
最後のあの哭き声の意味を確かめなければ
虹の橋と言うことは空・・・天か!!
行先は天の改札だ!!」
出そうで出なかったくしゃみが出て最後に
「ヘックション!!ちぃきしょうめ!!」
と啖呵を切ったような清々しさを覚えた私だった。
私は迷うことなく『天』と書いてある改札に
進んでいった。
そこを通り抜け進んでいく。暫く歩いていると
途中から左右に歩道がわかれていた。
その分岐に来ると上の方に看板が掲げてあった。
『左の歩道=若い方向け』『右の歩道70歳以上の方向け』
よく見ると右の歩道は動く歩道になっていてエスカレーターの
平らな奴みたいな・・・
何だよこれ・・・バカにするな!!と少し怒りながら
私の身体は右の動く歩道に乗っていた。
少し自己嫌悪に苛まれながら動く歩道に身を任せていた。
そして動く歩道は永遠に続いているような錯覚を覚えた。
何時間これに乗っているのだろう、それとも何日になるのか?
終わりが見えない、まるでドラゴンボールの悟空が
界王様の所へ行く時の蛇の道を思い出してしまった。
終着点はまだ見えない。
少々不安を覚えてきたところ、はるか彼方にレインボーが
見えてきた!
やった!!!確変か!!!(パチンコではない!)
もとい虹の橋か!!
何日この動く歩道に乗っていたんだろう、
左側にしなくてよかったと心底思った。
(しかし、この動く歩道電気代がえらくかかるだろうな
などと今現在全く関係ない事を考えたりしていた)
動く歩道は虹の橋のたもとまで続いていたのだ。
動く歩道を降りると、一面草原ではるか先まで続いていた。
虹の橋はすぐそばに有る。
私はどうしていいか、分からずその場に立ちすくんでいた。
すると、何処からともなく犬の鳴き声がしてきた。
何処から聞こえるのか最初は解らなかったが
声が大きくなるにつれて声がする方向が解ってきた。
「こっちの方から聞こえてくる、吠える声が
2匹いるような、気のせいか?」
その方角に目を凝らしてよく見ると
向こうの方から見慣れた犬が2匹こちらに思いきりの
スピードで走って来るではないか・・・
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