無償の愛 再会 虹の橋

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「このワニのぬいぐるみはどうしたんですか」 気になっていたのでスタッフに聞いてみた。 「このぬいぐるみですね、この子はブリーダーさんの所から このお店に直接来たのですが、その時このぬいぐるみを咥えて離さなかったらしいんです、それで仕方なく ぬいぐるみと一緒にここに来たんです」 私はスタッフさんに少し待ってもらい 携帯を取り出して愛犬の生前の写真を見せた 同じ緑色のワニのぬいぐるみで遊んでいる写真も 見せた。 2d14814b-ff77-40e8-bccc-0e8591f67f3e 流石にスタッフさんも驚いていた。 「こんなことってあるんですか!!」 「私も驚いています、しかしこの子もワニのぬいぐるみも確かに写真によく似ているもので・・・」 私はダメ元でスタッフさんに聞いてみた。 「もしできれば、この子を抱かせて貰えませんか?」 スタッフさんは少し考えていたが 「申し訳ございませんが、 それは出来ないことになっていますので」 「そうですか、そうですよね・・・ それならば、この子を買い取りますから 4、5日待っていてもらえますか?」 と聞いてみた。 「そうですか、少々お待ちいただけますか?」 そう言ってスタッフは店内の奥に消えて行った。 暫くして先程のスタッフが戻ってきた。 「お待たせいたしました、それでは これにお名前とご住所、電話番号をお書き頂けますか」 と一枚の紙を差し出した。 それに住所名前電話番号を書き込んで スタッフに渡した。 スタッフはそれを受け取ると 「それでは、4日だけ予約と言うことで 承ります。それを過ぎると通常に戻りますので ご了承下さい」 「わかりました、後一つこの子の写真を撮っても 良いですか?」 とスタッフに聞いてみた。 「どうぞ、どうぞ」 と愛想良く承諾してくれて 私は携帯でその子の写真を撮った。 携帯をその子に向けた途端、今まで暴れていたのが 嘘のように静かになりお座りして まるでポーズをとっているかのように 私を見つめていた。 本当に我が愛犬と同じだった。 愛犬も携帯を向けて「写真撮るよ」と言うと 自然と大人しくなり、すまし顔をしたものだった。 24c0423e-2010-4796-8d77-5b549856ebbf まさに愛犬の生まれ変わりなのかもしれない。 スタッフの女性も驚いていた。 「今まであんなに騒いでいたのに まるで写真を撮るのをわかっているような・・・ 信じられない」 不思議そうに私と子犬を代わる代わる見ていた。
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