無償の愛 再会 虹の橋

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たくさん写真を撮られて私たちも新聞の出来上がりが 楽しみになった。 帰り支度をして子犬を箱の中に戻して 蓋を開けたまま子犬に話しかけた。 「おうちに着くまでこの中でいい子に しているんだよ」 そう言い聞かせると子犬は大人しく箱の中でゴロンと横になった。 私も家内もスタッフさんもこれには驚いた。 箱の中に入れたらまた暴れるだろうと 3人ともそう思っていた、しかしこの子犬は私の 言葉を理解しているのかわからないが 騒ぎもせずに箱の中で前足を投げ出しその足上に 顔を載せて大人しくしていた。 7ea89ff4-d9b6-434d-a40a-24c7d9841893 その姿をスタッフさんもすかさずシャッターを 切っていた。 ふと名前をまだ付けていないことに気づいた。 嫁さんに 「名前をここで付けよう、新聞に載るのだから 名無しではスタッフさんも困るだろうから」 「そうですね、何と言う名前にしましょうか」 「同じ名前ではちょっとな・・・・・・ そうだ!チップの「プ」の字一文字で 「プー」はどうだ!」 「プーちゃん⁉︎・・・もう少し捻りが欲しいわ」 家内が言った。 「そうか?まあとりあえず今のところは プーにしておこう、新聞には名前をプーと言うことで 書いてください」 「わかりました、プーちゃんですね、あっ! あの〜申し訳ありませんが、チップちゃんの 生前の写真を頂けませんか? パピーの頃のチップちゃんとワニさんで遊んでいる チップちゃんの写真をお願いしたいのですが・・・」 「わかりました、帰ったらお店宛のメールに添付しておきます」 と言うことで仮の名前をつけて私達は 家に帰った。 この子に必要な物はほとんど揃っている チップに使っていた物を今度はプーに使うことにする 一応全て綺麗に洗い全て消毒をする。 チップが使っていた寝床も再利用。 何より驚いたことにプーはおしっこも、う○ちも 教えてもいないのに自分のトイレでしているのだ! やはり、チップの生まれ変わりか・・・ 私たち夫婦の生活も今までとは違ったものになって行った。 プーを迎えてひと月が経った。 ペットショップのペット新聞が我が家に届いた。 内容は「愛犬を亡くしたご夫婦に奇跡が起きた」 見出しにはチップのパピーの頃の写真と プーの現在の写真、チップがワニさんで遊んでいる写真と プーが自分のワニさんで遊んでいる写真が デカデカと乗っていた。
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