6人が本棚に入れています
本棚に追加
たくさん写真を撮られて私たちも新聞の出来上がりが
楽しみになった。
帰り支度をして子犬を箱の中に戻して
蓋を開けたまま子犬に話しかけた。
「おうちに着くまでこの中でいい子に
しているんだよ」
そう言い聞かせると子犬は大人しく箱の中でゴロンと横になった。
私も家内もスタッフさんもこれには驚いた。
箱の中に入れたらまた暴れるだろうと
3人ともそう思っていた、しかしこの子犬は私の
言葉を理解しているのかわからないが
騒ぎもせずに箱の中で前足を投げ出しその足上に
顔を載せて大人しくしていた。
その姿をスタッフさんもすかさずシャッターを
切っていた。
ふと名前をまだ付けていないことに気づいた。
嫁さんに
「名前をここで付けよう、新聞に載るのだから
名無しではスタッフさんも困るだろうから」
「そうですね、何と言う名前にしましょうか」
「同じ名前ではちょっとな・・・・・・
そうだ!チップの「プ」の字一文字で
「プー」はどうだ!」
「プーちゃん⁉︎・・・もう少し捻りが欲しいわ」
家内が言った。
「そうか?まあとりあえず今のところは
プーにしておこう、新聞には名前をプーと言うことで
書いてください」
「わかりました、プーちゃんですね、あっ!
あの〜申し訳ありませんが、チップちゃんの
生前の写真を頂けませんか?
パピーの頃のチップちゃんとワニさんで遊んでいる
チップちゃんの写真をお願いしたいのですが・・・」
「わかりました、帰ったらお店宛のメールに添付しておきます」
と言うことで仮の名前をつけて私達は
家に帰った。
この子に必要な物はほとんど揃っている
チップに使っていた物を今度はプーに使うことにする
一応全て綺麗に洗い全て消毒をする。
チップが使っていた寝床も再利用。
何より驚いたことにプーはおしっこも、う○ちも
教えてもいないのに自分のトイレでしているのだ!
やはり、チップの生まれ変わりか・・・
私たち夫婦の生活も今までとは違ったものになって行った。
プーを迎えてひと月が経った。
ペットショップのペット新聞が我が家に届いた。
内容は「愛犬を亡くしたご夫婦に奇跡が起きた」
見出しにはチップのパピーの頃の写真と
プーの現在の写真、チップがワニさんで遊んでいる写真と
プーが自分のワニさんで遊んでいる写真が
デカデカと乗っていた。
最初のコメントを投稿しよう!