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第二話
次の日の朝、さっそく例のプロジェクトを始めるというので、ユカワくんの家へやってきた。
お母さんに通されて部屋に入ったとき、彼は机のはしに置かれたシャーレに向かって、何かぼそぼそと呟いていた。ぼくが咳ばらいをすると、飛び上がるようにしてこちらを振り向く。シャーレを取り落としそうになったけれど、手を滑らせながらもキャッチしていた。
「おはようユカワくん。ケミも元気?」
あわてて眼鏡をかけ直して冷静なふりをする飼い主とは違い、黒猫のケミは窓辺でおしゃれに尻尾をふる。この子なりの返事をしているらしい。
「やあやあ来てくれたね、ウツミくん。摂氏25度の暑い中、ご足労だったよ」
ユカワくんはいつも大人みたいな話し方をする。
「ところで、キャサリンの様子はどう?」
少しいじわるな質問をした。
「ああ」と言って、机に置いたシャーレを手に取り、ぼくの前に差し出す。
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