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その時の首相はコロナが広がり始めた初期段階で前任者が健康状態の一時的な急激悪化のため辞任した後を継ぐ形で、困難の中波及被害も含めてコロナ被害を最小限に封じ込めていた極めて有能な政権担当者であったが、硬骨な発言が災いしてしばしば物議を醸す事があった。
その為であったのどうかは不明であったが、各メディアは一斉に首相の支持率の低下を喧伝したのである。
首相を輩出している政権与党惰眠党はその報道を見て選挙での敗北を恐れ、党のリーダーを選び直す挙に出た。首相は役職継続の意欲を示したが、最後には支持率低下という声に押される形で辞意を表明し、選び直しの被投票者には名乗りを挙げなかった。
その結果選ばれたのが今現在の首相 粕田武雄 であった。
粕田の施政は就任直後からコロナへの対応の遅れが目立ち、又有識者の一部が出し始めていたそろそろコロナ対策の為の行動制限を緩めて国民の経済活動を活発化させてはどうかという意見には全く耳を傾ける事無くダラダラと物事を先延ばしする姿勢を見せていた。
その一方で、新しい資本主義とか具体的実施政策の不明な抽象的対応を口にして国民の経済見通しを不透明にし、株式から得られた利益には課税を強めるとか、株主最優先の考え方はそろそろ改められないといけないとか、株式市場が嫌気を差すような言辞を繰り返した。
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