都市伝説 Zの陰謀 (緊急書き下ろし)

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 一月末、日出ずる処の国の首都にある官庁街のとある省庁の一室で数人のその省の幹部達が祝杯を挙げていた。事務机をテーブル代わりにスルメ等安いつまみに杯は湯飲み茶碗といった至って貧相な宴であるが、酒だけは舶来上等の高級ウイスキーを仲間内の誰かが提供しているようだ。いかにも自分達にとって目出度い事が成就した時の為に取ってあったのだと言いたげな瓶であった。  その省は国の財政と税務を司り、特に税務調査権という権限の前に新聞や政治家から恐れられていた。又新聞は税制上の優遇措置を受けているため、その省には面と向かって刃向かえない様子であった。一部にはその省がその力を使って新聞の意見を操作しているとまで言う者もいるほどである。 「しかし、上手く行きましたね。あの総理がこれほどまでに我々の振り付けどおりに踊ってくれるとは、そのせいで株式市場は大騒ぎですよ。」 「全くだ。そのお陰で株価は見るも無惨な下落を起こしてくれた。本当にお目出たい・・・・・・いや有難いお人ですよ。前任者、前々任者ではこうも易々とは我々の口車には乗らないでしょうからねえ。もっともこれは手始め、今後益々低く抑え込んでゆけるだろう。」  自国の株の暴落が相次いでいるのに何故か男達は嬉しそうに談笑している。
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