コバルトブルーの断崖

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 ようやくたどり着いた灯台は、突き出した断崖の上にあった。真っ白で、海を背に立つ姿はどこか孤独だ。  いつの間にか聞き慣れてしまった海鳥の声。岩壁に打ち寄せ砕ける波の音。  美しいく寂寞とした風景。 「風が強いな」 叔父は風に乱された金髪を掻き上げた。 「こんな風の中でも鳥って飛んでるんですね」  向かい風に吹き付けられながら歩く僕らの上には何羽もの海鳥が飛んでいる。 「どうして今日はここに連れてきて来てくれたんですか」  なんとなく気になっていたことを口にしてみた。 「帰る前に一度くらい二人で出かけておくべきかと思ってな。まあなんだ、俺の自己満足だ。どうだった?ここでの生活は。多少は気分転換になったか」 「島の人たちはみんな親切だし、叔父さんの料理は美味しいし、おばあ様にいきなりフランスに行ってきなさいって言われた時にはどうしようかと不安だったけど、来てよかったです。あと数日でこの綺麗な景色とお別れするのは寂しいです」  初めて島に来た時はこんなにこの島のことが好きになるとは想像できなかった。  叔父はあたりに視線を巡らせる。 「知っているか?」  叔父は断崖の端に向かって歩いていく。僕はその大きな背中を後ろから見ていた。  
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