コバルトブルーの断崖

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 叔父は自らの過去を語ることで、今いる場所から離れて生きる道もあるのだと教えたかったのか。それとも深読みしすぎていただけで、ただの思い付きでのピクニックだったのかは不明だ。 帰路はお互いなにも口にしなかった。  気分は悪くなかった。  今日一日で何かが変わった訳ではない。  僕はあと数日でこの島を出て、寄宿学校へ戻る。  叔父はまた一人暮らしに戻って、朝の9時には診療所を開く。  元の日常。  帰る日のことを考えて鬱々としていた。残る選択など自分には存在しないのに、手放しがたい平穏な日々が一日でも長く続くことを願っていた。だから改めて戻る決意を口にすることで、覚悟ができたように思う。
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