イケメン恐怖症

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そんな上司から仰せつかったこのしち面倒くさい業務、どうさばいて部長につき出してやろうか。 私はさっそく一枚目を手に取る。 書類を読んでいると、ふいに亮太が声をかけてきた。 「そう言えばお前、水瀬主催の合コンどうする? 行くのか?」 水瀬、とは私たちの共通の友人で、フルネームを水瀬亜矢と言う。 ただいま絶賛彼氏募集中で、一月に二回は合コンをセッティングしている。 毎回断り続けている私だけれど。 「今回は行くよ」 何せあの面食いな亜矢が「フツメンしか集まらなかった」とぼやいていたからだ。 これは絶妙な塩梅のセッティングと言わざるを得ない。 もしかしたら私の肌が粟立たないレベルで普通の人と堅実な恋愛ができるチャンスかもしれないじゃない! そんな機会をみすみす逃してあげるわけがない。 イケメンが駄目なだけで、普通に恋もしたければ結婚もしたいわよ。 そんな絶妙なお年頃の、二十七歳。
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