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プロローグ
「それは本当か!? 良くやったぞフェイル!」
「あなた! 今日はお祝いよ!」
フェイルが16歳の誕生日、父と母は息子からの報告を聞くと大喜びでフェイルを抱きしめた。
その大喜びをした報告はというと……
フェイルが勇者に選ばれた。
という前代未聞のニュースである。
その日フェイルは、突然天空より舞い降りた神から蒼き光を授かった。
そしてその時神より告げられる。
その蒼き力で世界を魔の手から救うのじゃ。
今日からお主は勇者じゃ。
その言葉と同時に、現世界の状況がフェイルの記憶に送り込まれた。
魔物に襲われ、滅亡した国。
魔物に親を食われ、泣き崩れる幼子。
養豚場の様に飼育されて、食べられる人族。
世界はあまりに残酷だった。
その為、フェイルは父と母の様に単純には喜ぶ事はできない。
しかし勇者として選ばれた今、フェイルは決意する。
この世界から悲しみを無くす為に、命を懸けて魔物と戦い続けると……。
こうしてフェイルの冒険は始まった。
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