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「そこに座れよ」  まだ暑い時期に、彼女のために買った座布団へ座るよう促す。 「ありがとうございます! さてと……てへっ! 初めてのご利用ですよね! まずは説明から始めます」  正座しつつ舌を出す水川。首の傾け方が凄くあざとい。 「えー、あなたの落ち込んでいる原因や悩みを、この水川が必ず解決します。料金は成功報酬のみ。着手金等はありません!」  スカートから覗く太ももに目が奪われ、半分聞いてなかった。 「了解。じゃあやってみろよ」 「お、お任せあれ!」  さてお手並み拝見。しかし大丈夫か? 雰囲気から新人だと察するが。 「でわでわ……」   じりじりと俺に顔を近づける。温かい息遣いが感じられる程の距離。  胸がビートを刻む。一体、どんなサービス……いや励ましの言葉をかけてくれるのか? 「なにがあったの? 私に教えなよ」  俺の右肩に手を触れ、馴れ馴れしく促す水川。貴様は場末のホステスか!
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