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「彼女に振られた」
「まぁなんてこと。そりゃ落ち込むね」
他人事のような言い方だな。見下した表情と相まって非常に腹が立つ。
「うん。早く励ましてくれよ」
どんな言葉をかけてくれるのだろうか。
「女なんてさ、星の数ほどいるんだよ。だ・か・ら! 気にしちゃダメダメ!」
人差し指を振りながらウインクする水川。
「は……はっはっは!」
ありきたりなセリフ過ぎて逆に笑えてきた。
「あ、元気になりましたね。じゃあ帰りま……」
「待てよこのバカ野郎! 俺はな、彼女という星がいいんだよ。他の星なんか興味ない」
正座したまま向きを変えた水川の両肩を掴む。
「彼女が嫌って言うんだから仕方ないじゃん」
俺に向き直し、あっさりと言い放つ水川。おいおいなんだこいつは? 俺に喧嘩を売りにきたのか?
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