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時間がたつにつれて、恐怖感が溢れ出てくる。思い出すたびに背筋に冷たいものを感じる。額の脂汗も止まらない。
命拾いをすると現実が見えてきた。このままでは、シンポジウムに間に合わない。世界の研究者の前でデビューするというチャンスが目の前で、手に届きそうな距離であっさりと消えてしまうという焦燥感が僕を苦しめた。でも結局、この混乱で、シンポジウムに間に合わないのではなく、シンポジウムそのものが開催延期となり、計画していた発表後の旅行にもいけなくなった。シオン型ユーロスターの復旧の見込みが全く立たない今、単に島から大陸に引き返すだけなのに、良い方法がすぐには思いつかない。右往左往しながらも、バスを乗り継いでフェリー港のあるハリッジまで移動して、ハリッジからフェリーでオランダのロッテルダムに渡り、そこから高速電車タリスに乗ってブリュッセルで乗り換えながら、パリの北駅に戻り、パリ東駅からはTGVでナンシーまで帰ってきた。何も発表せずに、ただただ移動に終始しただけなのに、こんなにも体力と精神を消耗するなんて。
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