第3話 第2回大会予選開始

1/1
前へ
/72ページ
次へ

第3話 第2回大会予選開始

国の代表選手になって大会に出場するには 国が公式に認めた競技団体に所属して 選考会に参加した後、推薦されるのが主らしいが 大金を払えば、一般人でも選考会に参加できるとか ある日、まだ学生である俺の学校に 日本メタバーススポーツアナザー協会の 特別推薦枠獲得依頼に、役人が訪れた 結論から言えば、現実世界の様に詰み重ねた努力が 業界での地位を高めるスポーツとは異なり 潜在能力がどのぐらい優れているかで アナザーでの活躍期待度は変わる でも、数ある学校の中から何故 自分の通う学校が特別推薦枠に選ばれたのか・・・ 説明など無いのに学校を運営する理事や役員達は 名誉な事だと喜んでいたそうだ・・・ 選考方法は、学校に訪れた協会役人が 1人1人に面接を行うという、簡単な方法だった 本当にそんな事で潜在能力が分かるのか?と 生徒の間では話題になっていた 特別不思議な事も起こらず、選考会は終わった 暫く教室で待機していると理事と担任、 それからアナザー協会の役人が教室に入ってきた 「君には大会に参加してもらいたい」と 直接推薦状を俺に直接渡してきた・・・ 俺・・・? 意外すぎだし、驚きすぎて素直に喜べなかった 名誉な事だと周りから言われたけど 俺なんかがそんな大会に出ても・・・と 拒否しそうな雰囲気を出すと 周りから白い目で見られた・・・ 結局プレッシャーに負けた俺は 大会に出場することになった でもやっぱり納得できない 頭が良いわけじゃないし これといった特技も無い ましてや家計に伝わる有名な血筋なんて無い やたらリアルな中2病の夢は沢山見るけど・・・ 本当はそんな力が現実に無いって事分かってる なんで推薦されたのか・・・ もしかして、番組みたいにストーリー構成があって 俺はただそのストーリーを演じる役者に選ばれた 所詮はゲームの延長線上の競技なんじゃないか? そう思い始めていた・・・ 競技参加にあたってメタバース内で説明会や 実技訓練も用意されていたが 全て適当に流して終わらせた これはきっとヤラセみたいなものなんだから 予選を通過できれば良いかなぐらいに考えていた アナザーの能力解析の結果で 俺に与えられた能力はアナライズという力だった 相手の能力を理解する能力?らしいけど なんだかよく分からないし、気にしていない アナザー協会の役人はこの解析結果に 素晴らしい能力だと評価したらしい 全てはこんな能力が俺の中に眠っていたせいだ そして、大会当日・・・まずは予選 予選の参加人数は50人のバトルロワイヤル方式 この中の1人だけが予選を通過できる 運も悪く、組まれた予選から決勝までのブロックに 日本の参加者は俺を含め2人しかいない やる気が全く起きない・・・ 説明会で話された事は何も思い出せない 案の定、開始直後すぐ相手に見つかった 先制攻撃で銃撃を脚に受け、ピンチに陥った 路地裏に隠れていたのに・・・ 索敵能力を持つ奴と銃を持った奴が 2人で襲ってきやがった まぁでも、すぐに納得できた 予選を通過できるのは1人なんだから 同じ国の選手同士なら 予選を通過させたい本命選手の為に 補助役の選手を参加させてもおかしくない 当然の考え方、妥当だよな はぁ・・・今更だけど、ちゃんと説明会で 話を聞いてれば良かったなー・・・ こんなに早く負けるとは思わなかった・・・
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加