第4話 アナライズ

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第4話 アナライズ

予想外の展開になった 相手が俺を撃った後、ニヤニヤしながら 「ほれ、逃げてみろよ(笑)」と言ってきた 余裕を見せてくれたおかげで 足を引きずりながらも なんとか近くのビル内に逃げ込む事ができた でも相手は索敵能力、すぐに見つかるよな・・・ きっと遊ばれているんだろう・・・ できるだけ上の階まで逃げよう・・・ 首の皮一枚繋がっているこんな状況になって 今更だけど、無様に負けたくない自分がいる 「バァァン!」 さっきの奴の銃声か? いや・・・だとしたら誰に向かって撃ったんだ? もしかしたら・・・俺の事を撃った発砲音で 別の奴が聞きつけて来たんじゃないか? もしそうだとしたら、これは漁夫チャンスだ でも、確認しないと状況が分からない・・・ 下手に動かずこのまま隠れていた方が良いか? 判断できずに時間ばかりが過ぎる・・・ そういえば、俺の能力はどうやって使うんだっけ? これも今更だけど、急に気になってきた あー・・・いや・・・そうだ 分かってたはずだ・・・自分の事なんだから なのに俺は今まで使おうとしなかったのか? 流石にやる気無さすぎた・・・か? それとも緊張してたのか?・・・まぁいいや 俺の能力、アナライズは 相手を視認した上で分析するって意識をする事で 発動できるんだ・・・ アイツらは、まだ戦ってるのかな? ・・・あっ 音が聞こえる・・・ ビル内の中央は吹き抜け構造になっている この状況ならバレずに下が見れるかも? 状況を確認したいし、なにより 俺自身、能力を使ってみたくなった・・・ 俺は吹き抜けから顔を出し、 物音のする方へ目を向けた ・・・ 見えた! アイツは索敵能力の・・・! あいつ・・・さっきは余裕ぶってべらべらと 自慢気に自分の能力を話してくれたけど 今度はこっちの番だっ アナライズ・・・!!! ・・・! ・・・分かったぞ! 索敵能力はサーチって名前なのか 自分から一定範囲、生き物の反応を感知できるけど それなりに体力を消耗するみたいだな あらゆる感覚を研ぎ澄ます様に集中し 周囲に自身の意識を拡散させるのか そうか・・・! だから中距離攻撃タイプの 銃を使う奴と一緒にいるのか ふむふむ・・・なーんだ・・・ 意外と面白いな、アナザー ていうか・・・この大会・・・ 思ってた様な台本なんてなかった・・・ ヤラセなんか一切なかった 仮想現実だから実際に死ぬ事はないけど 銃を向けられた時は正直怖かった・・・ 脚を銃で撃たれた瞬間は、 強く殴られた様な痛みを感じた 思ってたよりずっとリアルで 現実と仮想現実の区別がつかなくなる やっぱり・・・舐めすぎてたんだ 反省しよう・・・さすがに それにしても、このアナライズ・・・ ここまでサーチという能力を理解できたのなら 俺にもサーチが使そうじゃないか?
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